こんにちは!
介護食シェフの在川です。
今回は嚥下調整食をムラなく作る3つのポイントの1つ「温度」についてお伝えしたいと思います。
「温度」について知ることで、ゼリー食作りの失敗を防ぐこともできます。
「計量」「分散」と併せてポイントを覚えておきましょう!
嚥下調整食の基本ポイント:温度とは
嚥下調整食の「ゼリー食」を作る際には、「ゼリー食の素(ゲル化剤)」を使用します。
「ゼリー食の素(ゲル化剤)」の特性を知る上で、3つの温度がポイントです。
引用画像元:嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~
この3つの温度は、ゼリー食の素の種類によって異なります。
今回は、ゼラチンとスベラカーゼを比較してみましょう!
「ゼリー食の素」とひとくちに言っても、特性は様々で、全て同じように扱えるわけではありません!
ゼリー食を固める際に1番重要な温度は?
3つの温度についてお伝えしましたが、「ゼリー食を固める」上で1番重要になる温度は何でしょうか?
それは「溶解温度」です。
ゼリー食の素を添加する食材の温度に注意してください。
スベラカーゼの溶解温度は70℃以上です。
温度が不十分な食材に、スベラカーゼを添加すると写真のようにうまく固まりません。
※お粥の温度が20℃と70℃の時にスベラカーゼを1.5%入れた場合の様子です。
引用画像元:嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~
※スベラカーゼお粥ゼリーの作り方はこちら↓
温度で失敗しないためには?
ゼリー食を作る上で重要な温度として、「溶解温度」をお伝えしましたが、温度で失敗しないためにはどうしたら良いのでしょうか?
ポイントは2つです!
①製品ごとの使用方法をしっかり確認する。
お伝えした通り、ゼリー食の素によって溶解温度・凝固温度・融解温度は異なります。まずは、製品の特徴を理解して使用してください。
②温度計で食材の温度を測る。
都度、温度を測るのは手間に感じるかもしれませんが、失敗しないコツの1つです。
温度を測る上での豆知識
固まるかどうか不安な場合やすぐに確認したい場合は、少量をスプーンですくい、冷水に入れるとすぐに分かります。
固まる場合は、スプーンからきれいに剥がれ落ちますが、加熱不足などで固まらない場合は、スプーンからうまく剥がれ落ちません。
まとめ
以上、嚥下調整食作りにおける「温度」のポイントでした。
「温度」を感覚に頼って嚥下調整食を作ると、固まらないことがあります。このような事になると再加熱をし、固まるまで更に待たなくてはなりません。
正しい知識を持って嚥下調整食を作ることで、調理する人・提供する人・食べる人など、「食」に携わる人全ての人に笑顔をもたらすのではないでしょうか😊
少しでも皆様の明日からのお役に立てると嬉しいです。
本ブログは弊社発行の小冊子「嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~(監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表))」を引用し、作成しております。
小冊子は弊社HPよりダウンロード可能です。
作成:2022.12.22 在川・狩野
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【参考資料】
嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは
~ゲル化剤の正しい使い方~
監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表)